不登校だっていいじゃない。アニメあの花は、そこから生まれたのだから

こんにちは。たら子です。

今日の読書はエッセイです。大人気アニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」「心が叫びたがってるんだ」の脚本を担当した、岡田麿里さんの本です。

読んだ本は

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

岡田麿里

文芸春秋

です。

岡田麿里とは

秩父出身、1976年生まれのシナリオライター。

引きこもりの経験があり、それを元にしたオリジナルアニメ「あの花」の脚本を担当し、大ヒットになりました。

人とのコミュニケーションが苦手で、岡田麿里は本名だけど人に仕事を知られるのが好きではなく、ペンネームをつければ良かったと後悔している事も本編に書かれていました。

代表作は

  • 花咲くいろは(2011)
  • あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(2011)
  • 心が叫びたがってるんだ(2015)
『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』予告編
劇場版『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』予告編 より

概要

小学校からの不登校時代

プロローグは、アニメここさけの先行上映会での機材トラブルから始まります。

そこで岡田さんは唐突に思うのです。

やっぱり私、あの頃から何にも変わっちゃいないんだなと。

本書14ページ プロローグ より

岡田さんの“あの頃”とは、そう、小学校から高校までの、登校拒否の時代です。

岡田さんは祖父と母との3人暮らし。

多少のいじめもあった。だけどそれは決定的なものではなかった。月に1,2度の休みがいつの間にか週に1,2度になっていた。

決定的だったのは、担任の先生の一言だった。

ーーー私は、登校拒否児。

目の前が黄色く歪むのを感じた。

私は「ガタイはいいし男子も投げ飛ばすが、体調は崩しやすい子」のはずだった。周囲からの疑いの目はありつつも、少なくともセルフイメージではそうだった。なのに、この遠山という男は、登校拒否児のレッテルを爽やかに貼り付けてきたのだ。

本書40ページ 第二章 誰に挨拶したらいいかわからない より

ここから本格的な登校拒否が始まっていく。

中学に上がった時、自分のキャラ設定を変更するも、だんだんと自分がわからなくなり、結局また登校拒否になってしまう。

キーパーソンは下谷先生と磯田

この不登校時代に未来へのキーとなったのが、高校時代の担任の下谷先生と、中学からの友人の磯田さんだろう。

下谷先生は課題として読書感想文を求めてきた。それは後々、専門学校での課題や、シナリオを書く上での土台となっていきました。

磯田さんは、岡田さんが不登校になっても変わらず家に来てしゃべっていったり、運転免許を取るのに誘ってくれたり、上京の際の家探しの時に泊めてくれたりした優しい友達だった。

どちらにも言えるのは、岡田さんを特別視せず、一人の人間として扱ってくれていたことだと思う。

そしてシナリオライターへ

専門学校でシナリオを学び、最初に応募した仕事はVシネのエロものだった。

そこからテープ起こしの副業をしながら少しづつゲームやCDドラマの仕事が舞い込むようになっていきます。

そしてアニメ制作での監督アミノさんとの出会いから、少しづつアニメのシナリオライターとしての仕事が舞い込んでいきます。

そして企画コンペに出した作品。それがあの日見た花の名前を僕たちはまだ知らないだった。

かつて自分がそうだった、登校拒否児が主人公の物語。登校拒否児は果たして魅力的なキャラクターになりえるのか。それを書いてみたかった作品。

その時の監督・キャラクターデザインの二人と再び作ったのが、心が叫びたがってるんだ

とてつもなくぶつかり、うまくいかない中で作り上げた作品だった。

そしてエピローグ。

『叫びたいんだ。』にしてしまえば、叫びたい何かがもともと存在することになるから。

順と同年代だった頃の私には、それがなかった。

誰かに、どこかに、叫んでぶつけたいことがある訳じゃない。ただ、ひたすら叫びたいという欲求だけはある。胃の中に沈殿する、もやついた名前のない塊のようなもの。それを吐き出したい。

吐き出すことで、その瞬間に名前がついてくれたならと、どこかで願って。

本書253ページ エピローグ 出してみることで形になる何か より

感想

私はここさけも、あの花も実は見ていないのですが、とても話題になっていたなと思っていたものでした。それがどのようにして出来たのかが読めて、とても興味深かったなと思います。

不登校時代、パンイチで家にいたら先生が突然来てベッドに潜り込んだものの、布団をはがされ、何も言わずにそっと布団をかけてくれた先生の話や、初めてのVシネの、自分が書いたエロシナリオを読まされたりと、面白エピソードも入っていて、さすがはシナリオライターの本だなと。

私は小中高と何も考えずに過ごしてきたので、岡田さんに共感はできなかったけど、でも、不登校になったらお先真っ暗とか、もう駄目なんだとか、そんなことは全然ないんだなと思えました。

少なくとも、子供が不登校になってしまった時、岡田さんのこの本を読んでほしいな、なんて思いました。

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